【菊花賞2025予想】血統でわかる“真の適性”と注目馬

2025年10月27日

三冠最終章・菊花賞。
3000mという過酷な距離を走り抜くには、瞬発力よりも持続力と底力を支える血が必要です。
本記事では、過去の血統傾向と今年の登録馬の系譜をもとに、真にこの舞台へ適した血統背景を持つ注目馬を解説します。

コース説明

菊花賞では、京都3000mと3歳馬たちが未知の距離を走るレースになります。
スタートから最初のコーナーまでは、長距離戦・未知の距離になるため比較的ゆったりとしたペースになります。
ここでは、ポジション取りというよりは、折り合いをつけたい場面になります。

中盤は脚の温存とポジション取りが重要になってきます。
ここで各々とりたいポジションをとっていく形になります。
中盤では、縦長の隊列になりやすいため、とりたいポジションをいかに脚を溜めて取れるかが重要になります。

約2000mほど走った地点にスタートで上った「淀の坂」が待ち構えています。
スタミナのない馬はここで大きく失速することもあり、かなり馬的にもきつい位置になります。
京都は平坦な地形であるため、パワーがいらないイメージがありますが、3000mではパワー能力もある程度求められる地形になっています。

坂の頂上から下りにかわると各馬をスピードを上げていきます。
ロングスパートを得意とした馬はここから仕掛けて最終直線に臨みます。
各馬下り坂を終えてかなりのスピードで最終直線に入るため、コーナーではふくらみやすく内側が空きやすくなります。

最終直線は約400mの平坦となっています。
ここでは早めに仕掛けた馬を末脚自慢たちが追いかける展開になります。
スローペースになりやすいですが、逃げの逃げ切りは難しく、まくりや差しのほうが戦績が良いレースになります。

菊花賞では馬のスタミナやペース配分など未知の要素が多く、騎手にとってもかなり判断が難しいレースになっています。
そのため、若手の騎手よりもベテラン騎手のほうが勝率が高いレースでもあります。

評価基準

評価基準高評価基準理由
種牡馬適正長距離王道長距離血統が優勢
能力1持続力下り坂から平坦に入るコースでスピードの持続力を活かしやすい。
能力2瞬発力最終直線は平坦で瞬発力を活かしやすい。
能力3スタミナ3000mと長いコースであるため。

菊花賞では、3000mとかなり距離が長く3コーナーの坂の頂上からスピードを上げていくため、中盤でポジションを取れるスピードと坂の頂上からゴールまでスピードを維持していく能力が重要になってきます。
また、最終直線は平坦であるため瞬発力のある馬は力を発揮しやすく瞬発力も重要な要素になってきます。
持続力・瞬発力はあくまで勝利に必要な要素ですが、スタミナがなければ意味をなさないのでスタミナ面も血統から見ていきます。

条件にあう種牡馬にはかなり偏りが見られ、ディープインパクト系、キングマンボ系、エピファネイア産駒と長距離・瞬発力型の勝率が高い傾向があります。

人気馬血統診断

エリキング

父:キズナ
母:ヤングスター(サドラーズウェルズ系×ダンチヒ系)

キズナ産駒は中距離以上を得意とした産駒が多く、京都3000mの複勝率は10%となっています(出走数10頭)。
母ヤングスターはオーストラリアオークス(GⅠ)1着の牝馬でエリキングが最初の産駒になります。
母父の傾向から、2000m~2500mが適性距離だと考えられますが、3000mもこなせる可能性もある血統です。

血統全体では、キズナ産駒×母母父ダンチヒ系と瞬発力とトップスピードのある血統です。
また、母父がサドラーズウェルズ系であるため、持続力にも期待できコース適正は高いです。
スタミナ面が懸念点ですが、最終直線までにスタミナがあれば勝ち負けできる血統です。

種牡馬適正持続力瞬発力スタミナコース適正総合評価
B

エネルジコ

父:ドゥラメンテ
母:エノラ(レッドゴット系×ニジンスキー系)

ドゥラメンテ産駒は2000m以上を得意とした産駒が多く、京都3000mの複勝率は25%となっています(出走数4頭)。
母エノラはドイツオークス(GⅠ)1着の牝馬で海外で重賞馬を数頭輩出している牝系になります。
父・母の傾向から2000m~2400mだと考えられます。

血統全体では、ドゥラメンテ産駒×母父レッドゴット系×母母父ニジンスキー系と瞬発力とパワー能力が高く淀の坂への適性と瞬発力が武器になる血統です。一方で持続力・スタミナ面が心配で適性的には少し微妙な印象です。

種牡馬適正持続力瞬発力スタミナコース適正総合評価
C

ショウヘイ

父:サートゥルナーリア
母:オーロトラジェ(ステイゴールド系×ヌレイエフ系)

サートゥルナーリア産駒はまだデータは少ないものの短距離~長距離まで勝ち星がありますが、3000m以上の出走はありません。
母オーロトラジェは芝2000m前後の牝馬で牝系の中にはオークス(GⅠ)1着のミッキークイーンがいます。
父・母の傾向から2000m~2400mが適性距離だと考えられますが、母父にステイゴールド系が入っているため3000mもこなせる可能性が高いです。

血統全体では、サートゥルナーリア産駒×母父ステイゴールド系×ヌレイエフ系とスピードとパワー能力のある血統で加えて持続力も高い血統です。母母父にヌレイエフ系が内包されているためパワー能力も高く、坂の影響もあまりなさそうです。
持続型ではありますが、瞬発力もそこそこあるので適性はかなり高そうです。

種牡馬適正持続力瞬発力スタミナコース適正総合評価
S

筆者が選ぶ注目穴馬!

ライトトラック

父:キタサンブラック
母:レッドレイチェル(サドラーズウェルズ系×ヌレイエフ系)

キタサンブラック産駒は短距離~長距離まで幅広く活躍する産駒で、京都3000mでの出走は1頭となっています。
母レッドレイチェルは短距離系の牝馬で目立った産駒は輩出していません。
父・母の傾向から2000m前後が適性のように見えますが、母血統が長距離寄りであるため長距離適性が高い印象です。

血統全体では、キタサンブラック産駒×母父サドラーズウェルズ系とスピードの持続力とスタミナのある血統です。また、母母父にヌレイエフ系が内包されているため、パワー能力もあり坂の影響もあまり受けない血統です。

種牡馬適正持続力瞬発力スタミナコース適正総合評価
S

血統診断表

馬名種牡馬適正持続力瞬発力スタミナコース適正総合評価
エリキングB
エネルジコC
ショウヘイS
ゲルタチュールB
マイユニバースS
ジョバンニA
レッドバンデC
アマキヒB
ライトトラックS
ミラージュナイトB
ヤマニンブークリエA
レクスノヴァスB
エコロディノスC
コーチェラバレーB
ジーティーアダマンB

10月19日時点オッズ順上位15頭

枠順

馬番馬名騎手買い目
11コーチェラバレー西村淳
12アマキヒ戸崎圭
23ライトトラック和田竜
24ヤマニンブークリエ横山典
35ジョバンニ松山
36ミラージュナイト藤岡佑
47ショウヘイ岩田望
48レクスノヴァス横山和
59エネルジコルメール
510ジーティーアダマン北村友
611マイユニバース武豊
612ゲルチュタール坂井
713アロンディ団野
714エキサイトバイオ荻野極
715エリキング川田
816ラーシャローム岩田康
817レイヤードレッド嶋田
818レッドバンデ佐々木

買い目

前日、当日ともに雨予報であるため、馬場は稍重~重で予想します。
京都3000mでは長距離戦ということもあり、スローペースになりやすく、天候・メンバー的にもスローペースになると予想します。
菊花賞の過去10年では、内枠不利、外枠有利といった戦績になっています。

基本的には、パワーがあまり求められないレースですが、当日が雷雨であることを考えると、パワー面も注意したいレースです。

本命◎ ショウヘイ

本命はショウヘイです。
血統評価も高く、先行なのでスローペースになった際に展開が向きやすいと考えられます。
前走は神戸新聞杯でドスロー展開で最終コーナー3番手で上がり32.9と素晴らしい走りでしたが、最後にエリキングに交わされ2着となっています。似たような展開になりそうですが、母父にステイゴールド系が内包されており、パワー面・スタミナ面でみるとエリキングよりも勝っているので、本命としました。

対抗〇 マイユニバース

対抗はマイユニバースです。
血統的にはかなり長距離型の血統で適性は非常に高いです。
前走はパワー・スタミナが求められる九十九里特別(中山2500m)で7馬身差の圧勝をしており、かなり高評価です。
逃げ脚質・スローペース・武豊騎手・京都・長距離とかなり好条件がそろっているように感じるため対抗としました。

単穴▲ ゲルタチュール

単穴はゲルタチュールです。
血統評価としては長距離型・パワータイプということで中山など起伏の多い長距離と考えあまり評価していませんでしたが、当日が重馬場になる場合、適性が高くなると考え単穴としました。
前走は日本海S(新潟2200m)でスローペースで押切勝ちと強さを見せました。青葉賞ではエネルジコとほぼクビ差とメンバー的にみても強い馬になります。
天候にもよりますが、雨で馬場が渋りスローペース+後方脚質の足が鈍る場合馬券内に来れるだけの力はあると思います。

連下△ エリキング

連下はエリキングです。
血統的な適性はあまり高くなく、メンバー内に長距離適性の高い馬が多く、少し厳しい展開になると考え連下までとしました。
前走神戸新聞杯では、スローペースで4コーナー7番手でしたが、驚異の上がり32.3をだし1着と世代トップの末脚を見せました。
天候が雨で馬場が渋ると、末脚の伸びが悪くなるため、ベストな競馬しづらい点をかなり大きな減点としました。
馬場がそこまで渋らなければ、もう少し評価を上げたいです。